学校講演会のテーマを選ぶとき、「夢」「挑戦」「キャリア教育」のような言葉だけでは内容を決められません。
同じテーマでも、小学生と高校生では聞きたいことも、理解できる経験も違います。学年と学校の目的を重ねて考える必要があります。
小学校低学年は身近な体験から始める
小学校低学年には、抽象的な人生論より、見て分かるもの、体を動かして感じられるものが向いています。
身近ななわとびから、挑戦する楽しさ、失敗してももう一度試すこと、友達と一緒に取り組むことを伝えます。講演だけでなく、短い実演や体験を入れると、話と行動がつながります。
低学年向けのテーマ例
- できないことにもう一度挑戦する
- 好きなことを見つけて続ける
- 友達の挑戦を応援する
難しい言葉で結論を教えるより、その場で感じたことを学級へ持ち帰れる構成が適しています。
小学校高学年は挑戦の過程を伝える
高学年になると、周囲との違いを意識し、失敗を恥ずかしいと感じる子も増えます。
学校講演会では、成功した結果だけでなく、うまくいかなかった時期や、自分の得意なものを見つけるまでの迷いを伝えます。夢がすでにある子だけを前提にしないことも大切です。
小学生のキャリア教育で扱いたい講演テーマでは、発達段階に合わせた内容を詳しく紹介しています。
中学生は夢が決まらない不安を扱う
中学生は、進路を考え始める一方で、自分の将来を言葉にできないことがあります。
「夢を持とう」と強く言われるほど、夢が見つからない子は置いていかれたように感じます。中学生向けの学校講演会では、最初から正解を決めなくてもよいこと、気になるものを試しながら選び直せることを伝えます。
けがや挫折、環境の変化を経て別の道へ進んだ実話は、将来が一直線ではないことを具体的に示します。
高校生は進路と生き方を分けて考える
高校生には、進学先や職業を選ぶ話だけでなく、選んだ後にどう向き合うかを伝えます。
希望する進路へ進めなかったとき、環境が変わったとき、自分の価値まで失ったように感じないための視点が必要です。学校講演会を、職業紹介だけでなく、自分の経験を次の選択へつなげるキャリア教育として設計します。
中高生が夢と進路を考えるキャリア教育も参考にしてください。
保護者・教職員向けは関わり方をテーマにする
子ども向け講演と同じ日に、保護者や教職員向けの時間を設ける方法もあります。
子どものやる気を引き出そうとして答えを先に言っていないか。期待が強くなり、本人の好きな気持ちを見失っていないか。大人向けには、子どもへの声かけや対話を具体的に扱います。
子どものやる気を引き出す声かけは、保護者・教職員向けテーマの土台になります。
学校講演会のテーマは目的から逆算する
テーマを決める前に、講演後に子どもへどのような会話や行動が生まれてほしいかを考えます。
挑戦してほしいのか。進路を考えてほしいのか。人との違いを受け止めてほしいのか。学校の目的と学年が決まれば、講師と内容を調整できます。
学校講演会で子どもが聞く講師の基準も合わせて確認してください。
複数学年で同じ講師を招くときの工夫
話す言葉と事例を分ける
全校一斉開催では、低学年に合わせると高学年には物足りず、高学年に合わせると低学年が理解しにくくなります。同じテーマでも、写真や実演を共通の入口にし、問いの難しさを変えます。可能であれば低学年と高学年で時間を分ける方が、発達段階に合う内容を届けられます。
事前学習を学年ごとに変える
低学年は、好きな遊びや一度できるようになったことを思い出します。高学年は、失敗した後に方法を変えた経験や、人から受けた助言を振り返ります。講演前に持つ問いを変えるだけでも、同じ話をそれぞれの生活へ置き換えやすくなります。
講演後の行動をそろえすぎない
全校で同じ感想文を課すのではなく、低学年は絵や短い言葉、高学年は自分の次の行動、中高生は進路や役割との関係など、振り返り方を変えます。主催者が求める結論を一つにせず、異なる受け取り方が生まれることを講演会の成果として扱います。
学年ごとに講演と実技の比率を調整します
粕尾将一講演会では、低学年になわとび教室、高学年にキャリア講演を行うなど、一日の中で対象を分ける構成にも対応します。45分から90分を基本に、学校の時間割と目的に合わせて提案します。
