「PTA講演会はいらないのでは」と言われると、担当者は企画そのものを否定されたように感じるかもしれません。
しかし、多くの場合、講演会という形式が不要なのではありません。テーマが遠い、参加する理由が分からない、開催時間が合わないなど、企画と保護者の生活がかみ合っていないのです。
PTA講演会がいらないと言われる理由
共働き家庭が多い中で、平日昼間だけの開催では参加できる人が限られます。前年と同じテーマが続き、「また同じ話」と感じられることもあります。
案内文が日時と講師名だけなら、保護者は忙しい時間を使う価値を判断できません。参加しても一般論が続き、家庭で何を試せばよいか分からなければ、次回への期待も下がります。
「いらない」という反応は、保護者が冷たいからではありません。企画側が参加する理由を十分に伝えられていない可能性があります。
参加者の悩みを先に聞く
講師を探す前に、保護者が困っている場面を集めます。
テーマ名ではなく場面を聞く
「子育て講演とコミュニケーション講演のどちらがよいですか」と聞くより、「子どもとの関わりで最近困った場面はありますか」と聞きます。
話をしてくれない。何度言っても行動しない。習い事を辞めたいと言われた。こうした場面から、必要なテーマと講師の経験を選べます。
PTA講演会で失敗しないテーマ選びも活用してください。
参加することで得られるものを明確にする
案内文には、講師の経歴だけでなく、参加者が持ち帰れる視点を書きます。
「日本代表選手を育てた講師が登壇」だけでは、保護者は自分との関係を判断できません。「子どものやる気を奪わずに、挑戦を支える声かけを実例から考える」と書けば、家庭との接点が見えます。
講演会の案内文とチラシに入れる項目を参考に、参加理由を最初に示してください。
開催方法を保護者の生活に合わせる
夜間や休日の開催、短時間の講演、オンライン併用、後日の要点共有など、参加方法を検討します。
ただし、形式を増やせばよいわけではありません。オンライン配信には撮影許可や通信環境の確認が必要です。会場参加とオンライン参加で体験に差が出る場合もあります。
主催者の運営負担と、参加者の利便性の両方を見て決めます。
親子で共有できる体験を入れる
保護者だけが話を聞き、子どもへ内容を説明する方法には限界があります。
親子で短い実技に取り組む。講演の最後に同じ問いを考える。家庭で試せる一つの行動を決める。親子が共通の体験を持つと、講演会後の会話が生まれやすくなります。
実技付き講演会を学校行事に入れる利点も参考になります。
PTA講演会の成果を参加人数だけで決めない
参加人数は大切な指標ですが、それだけで講演会の価値は決まりません。
参加した保護者が、子どもの話を最後まで聞いてみた。学校と家庭で同じテーマを話せた。講演の内容が学級通信や家庭で共有された。こうした変化も記録します。
アンケートでは満足度だけでなく、「何を試したいか」を聞いてください。
いらないと言われる前提を企画から変える
PTA講演会を毎年の行事として続けること自体が目的になると、必要性を説明できなくなります。
今年の保護者と学校に必要なことは何か。誰のどのような悩みに応えるのか。参加後に何が残るのか。ここから考えれば、実施しない判断を含めて、納得できる企画になります。
参加しなかった保護者にも価値を届ける
要点を短く共有する
仕事や家庭の事情で参加できない人は必ずいます。講師の許可を得たうえで、講演の要点、印象に残った問い、家庭で試せる行動をPTA便りや学校の連絡手段で共有します。講演の全文や写真を無断で公開するのではなく、共有範囲を事前に決めてください。
参加者の感想を目的と結び付ける
「楽しかった」という感想だけでなく、子どもの話を最後まで聞きたい、結果より過程を見たいなど、講演後に選んだ行動を紹介します。参加できなかった保護者も自分の家庭へ置き換えやすくなり、PTA講演会を一部の参加者だけの行事にしません。
次年度へ記録を残す
参加人数、告知方法、質問、アンケート、当日の時間配分を一つの記録へまとめます。参加率が低かった場合も、テーマが合わなかったのか、時間や案内方法が障壁だったのかを分けて考えます。担当者が替わっても判断材料を引き継げれば、毎年同じ準備をやり直さずに済みます。
保護者と学校の目的に合わせて内容を調整します
粕尾将一講演会では、日本代表経験者40名の育成現場と、親としての経験をもとに、子どもの好きを伸ばす関わり方や対話を扱います。親子で参加できる実技との組み合わせも可能です。
