LECTURE COLUMN

面白かった講演会に共通する5つの特徴

参加者から面白かったと言われる講演会に共通する、具体的な実話、対象者との接点、問いかけ、変化、行動の五つを解説します。

面白かった講演会に共通する5つの特徴

「面白かった講演会」と聞くと、話が上手な講師や、笑いの多い講演会を想像するかもしれません。

もちろん、聞きやすさは大切です。しかし、学校やPTAの講演会で必要なのは、その場だけ楽しいことではありません。話が自分に関係していると感じ、終了後にも考え続けられることです。

面白かった講演会には、五つの共通点があります。

1.抽象論ではなく場面が浮かぶ実話がある

「挑戦は大切です」と言われても、意味は分かります。ただ、それだけでは記憶に残りません。

どこで迷ったのか。何に失敗したのか。そのとき誰に何を言われたのか。具体的な場面があると、参加者は講師の経験を映像のように想像できます。

面白かった講演会では、成功の結果だけでなく、途中にあった葛藤が語られます。失敗を隠さない実話が、参加者と講師の距離を縮めます。

2.参加者の日常につながる入口がある

世界の舞台や日本代表の経験は、強い関心を集めます。一方で、実績の紹介だけが続くと「自分とは違う人の話」になります。

子どもが普段使う道具、保護者が家庭で経験する会話、指導者が現場で迷う場面。参加者が知っている入口から大きな経験へつなぐと、話を自分に置き換えられます。

身近さと意外性の両方をつくる

なわとびは、多くの子どもが触れたことのある身近な運動です。その一本の縄からシルク・ドゥ・ソレイユの舞台へ進んだ話には、身近さと意外性があります。この組み合わせが、講演会の最初の入口になります。

3.講師が答え続けず参加者へ問いを返す

一方的に説明される時間が長いと、参加者は聞くだけになります。

「もし自分だったらどうしますか」「今、挑戦してみたいことはありますか」。講師から問いを向けられると、参加者の中で考える時間が始まります。

とくに子ども向けの学校講演会では、正解を当てさせる質問ではなく、自分の経験を思い出せる問いが有効です。

4.話の中に変化がある

長い説明が同じ調子で続けば、内容が良くても集中は切れます。

写真や映像を見る。実物を見せる。短い実技を行う。参加者に手を挙げてもらう。こうした変化があると、耳だけでなく目や体でも講演会に参加できます。

実技付き講演会の特徴では、講演と体験を組み合わせる方法を紹介しています。

5.今日からできる一歩が残る

感動して終わる講演会と、行動につながる講演会には違いがあります。

次に失敗したとき、もう一度試してみる。子どもの話を途中で評価せずに聞く。自分の夢が分からなくても、気になることを一つ調べる。参加者が選べる小さな一歩を示すと、講演会は日常へ戻ったあとも続きます。

大きな決意を迫る必要はありません。自分にもできそうだと思えることが、一つ残ればよいのです。

面白かったかどうかは目的と結びつけて考える

笑いが多かった、実技がすごかったという感想は大切です。ただし、主催者はそれだけで評価しません。

講演会の目的に合っていたか。対象者が自分のこととして聞けたか。終了後に会話や行動が生まれたか。この三つまで確認すると、次回の講師選びに生かせます。

講演会講師の選び方も参考にしてください。

主催者が「面白かった」を確かめる質問

何が印象に残ったか

満足度を五段階で聞くだけでは、講演のどこに価値があったか分かりません。話、実演、映像、問いかけのうち何が残ったか、その理由まで尋ねます。参加者の回答が講演テーマと結び付いていれば、演出だけでなく内容が届いたと判断できます。

誰かと話したくなったか

良い講演会は、会場を出た後にも続きます。子どもが友達や家族へ話した、保護者が家庭で声のかけ方を話題にした、職場で経験を共有したという動きがあれば、参加者が内容を自分の生活へ持ち帰っています。アンケートには「誰と何を話したいですか」という問いを入れられます。

次に何を試したいか

感動しただけで行動が変わらないこともあります。大きな決意ではなく、失敗した方法を一つ変える、子どもの話を最後まで聞く、気になることを調べるなど、実行できる選択が浮かんだかを確認します。主催者が設定した目的と回答を照らし合わせ、次回の企画へ残します。

舞台経験と教育現場の実話を一つの講演にします

粕尾将一は、シルク・ドゥ・ソレイユ『La Nouba』に約2,500回出演し、帰国後は日本代表経験者40名を育成してきました。華やかな舞台だけでなく、けが、契約終了、指導現場での迷いも含めて話します。

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