講演会の担当者が最も悩むのは、講師の選び方ではないでしょうか。
検索すると多くの講演会講師が見つかります。経歴も講演テーマも魅力的に見える中で、知名度だけを基準にすると、対象者に話が届かないことがあります。
講演会講師を選ぶ目的は、有名な人を呼ぶことではありません。参加者に必要な気づきと行動を届けることです。ここでは、学校・PTA・自治体・企業で使える七つの基準を紹介します。
1.講演会の目的と講師のテーマが一致しているか
最初に確認したいのは、「何を話せる人か」より「今回の目的に応えられる人か」です。
同じキャリア教育でも、仕事の種類を紹介する講演と、失敗から立て直す力を伝える講演では内容が違います。子育て講演でも、幼児期の生活習慣と、思春期の親子対話では必要な経験が異なります。
担当者側で、講演後に参加者へ残したいものを一文にしてください。その一文に講師の経験が重なるかを確認します。
2.対象者に合わせて言葉を変えられるか
小学生に届く言葉と、教職員に届く言葉は同じではありません。
専門知識が豊富でも、難しい言葉の説明が続けば、子どもの集中は切れます。反対に、大人向けの研修で内容を簡単にしすぎると、具体的な学びが残りません。
過去の対象者だけで判断しない
「学校で話した経験がある」だけでなく、どの学年に、どのような構成で話したのかを確認してください。対象者に応じて、例え話、問いかけ、実技の量を変えられる講演会講師は、当日の反応を見ながら調整できます。
3.借り物ではない一次体験があるか
検索すれば分かる情報だけを並べた講演は、聞いた瞬間は分かりやすくても記憶に残りにくいものです。
本人が挑戦したこと。失敗したこと。迷ったこと。現場で繰り返し見てきたこと。こうした一次体験には、その人にしか話せない具体性があります。
講師プロフィールを見るときは、肩書きの数よりも、講演テーマにつながる経験があるかを確認してください。
4.成功だけでなく失敗を語れるか
華やかな実績は、講演会への関心を集める入口になります。しかし、成功の結果だけを聞くと、参加者は「自分とは違う人」と感じることがあります。
失敗したときの感情や、立て直すまでの時間が語られると、実績は初めて参加者の日常とつながります。とくにキャリア教育では、一直線に夢をかなえた話より、選び直した経験の方が子どもの迷いに届くことがあります。
5.話を聞かせる以外の入口を持っているか
映像、実物、実演、問いかけ、短いワーク。講演会講師が複数の入口を持っていると、参加者は集中を切り替えながら話を追えます。
学校講演会では、体を動かす実技が有効な場合もあります。高学年には講演、低学年には体験教室というように、学年別に形式を分けることもできます。
実技付き講演会の利点も確認してください。
6.担当者と事前に内容を調整できるか
講演テーマが同じでも、学校や団体によって課題は違います。
事前の打ち合わせで、目的、対象者、人数、会場、過去の行事、避けたい表現まで確認できる講師なら、講演内容のずれを減らせます。完成した講演をそのまま持ち込むのではなく、主催者の意図を受け取れるかが重要です。
7.費用と開催条件が説明しやすいか
講師料だけで判断せず、交通費、宿泊費、機材、実技の有無まで含めて確認します。校内やPTA内で説明するときは、金額だけでなく、その費用で何が実施できるかを示せることが大切です。
講演会の費用と予算の考え方では、見積もりで確認する項目を整理しています。
候補講師を比較するときの進め方
同じ条件を一枚にまとめる
候補ごとに見ている資料が違うと、知名度や写真の印象だけで判断しやすくなります。講演テーマ、対象者への経験、一次体験、講演時間、実技の可否、費用、交通条件、事前打ち合わせの方法を同じ表へ並べます。学校やPTA内でも選定理由を共有しやすくなります。
話してほしくないことも伝える
参加者の背景によって、家族、進路、競争、障害、経済状況などへの配慮が必要です。講師が意図せず参加者を追い詰めないよう、学校や団体が把握している事情を個人が特定されない範囲で共有します。講師側から表現の確認があるかも、信頼性を判断する材料です。
依頼前に短い打ち合わせを行う
資料だけで決めず、主催者の目的を講師がどのように理解したか確認します。質問への答えが一般論に終始するのか、対象者と会場条件に合わせた構成案が出るのかで、調整力が見えます。問い合わせは契約ではないため、候補日と条件を伝えたうえで実施可能な内容を確かめてください。
講演会講師は実績と伝える力の両方で選ぶ
粕尾将一は、シルク・ドゥ・ソレイユ『La Nouba』になわとびアクトのソリストとして約2,500回出演しました。その後は日本なわとびアカデミーを運営し、日本代表経験者40名を育成しています。
舞台の経験だけでも、指導の経験だけでもありません。挑戦、挫折、対話、子どもの成長を一つの講演に組み立てられることが特徴です。
