スポーツ講演会の講師を探すとき、競技成績や所属チームは重要な判断材料です。
ただし、優れた選手が、そのまま対象者に届く話をできるとは限りません。スポーツ講演会では、何を成し遂げたかと同じくらい、その経験を参加者の日常へどうつなげるかが大切です。
競技実績と講演テーマを分けて考える
アジア大会優勝、世界大会入賞、日本代表。大きな実績は講師への信頼と関心につながります。
一方で、主催者が必要としているのは、記録の解説だけではありません。挑戦する力、失敗から立て直す考え方、チームでの関わり、子どもの自主性など、講演の目的があります。
競技実績が今回のテーマをどのように裏付けるのかを確認してください。
成功よりも途中を語れる講師を選ぶ
結果だけを聞くと、参加者は「才能がある人だからできた」と考えることがあります。
スポーツ講演会で聞きたい過程
- 目標が決まる前に何をしていたか
- 失敗やけがの直後に何を感じたか
- 練習方法をどのように変えたか
- 周囲の人とどのような対話をしたか
- 競技を離れた後に経験をどう生かしたか
講師が迷いや弱さも話せると、参加者は自分の経験に置き換えられます。
選手経験と指導経験は別の強み
自分が競技をすることと、子どもを育てることは同じではありません。
選手としての経験は、練習や本番の感覚を伝えられます。指導者としての経験は、成長速度も目標も違う子どもへ、どのように関わるかを伝えられます。
保護者や教職員向けのスポーツ講演会では、育成経験の有無も確認します。
スポーツ指導で子どもを伸ばす対話では、指導現場の考え方を紹介しています。
対象者に合わせて言葉を変えられるか
児童・生徒向けなら、身近な出来事と実演から話に入ります。保護者向けなら、期待と本人の意思を分ける関わりを扱います。指導者向けなら、練習環境や問いかけを具体的にします。
企業向けなら、挑戦、役割の変化、失敗後の再出発を仕事へ置き換えられます。
同じスポーツ講演会でも、対象者によって構成を変えられる講師を選んでください。
実技を講演テーマへつなげられるか
実演は参加者の関心を集めます。しかし、技を見せて終わるとショーと講演が分かれます。
一回の成功の前にどれだけ失敗したか。失敗のたびに何を変えたか。実技を講演テーマへ戻す説明があると、体験と学びがつながります。
実技付き講演会を学校行事で行う利点も確認してください。
引退や環境変化後の経験も見る
競技生活には終わりや変化があります。
けが、引退、契約終了、役割の変化。その後に経験をどう生かしたかを語れる講師は、スポーツの結果を人生全体へつなげられます。
スポーツを続ける人だけでなく、別の道へ進む参加者にも届く講演会になります。
スポーツ講演会で事前に伝える対象者情報
競技歴と参加目的
競技経験のない児童・生徒と、全国大会を目指す選手では、同じ言葉の受け取り方が異なります。対象者の年齢、競技歴、大会志向の有無、保護者や指導者が同席するかを講師へ伝えます。参加者を一律に「勝ちたい人」と想定しない構成が必要です。
現場で起きている課題
練習への意欲、失敗への不安、チーム内の関係、保護者との目標の違い、引退後の進路など、主催者が扱いたい場面を具体的にします。個人名や詳細な事情は伏せ、講師が一般化した事例として話せる範囲を相談してください。
実技に期待する役割
高い技術を見せて刺激を与えるのか、失敗から方法を変える過程を体験するのか、参加者同士の協力を生むのかを決めます。実技は講師の実績を証明する余興ではありません。講演のテーマと結び付くときに、見る人の理解を深める手段になります。
講演後の質問時間では、技術的な質問だけでなく、けがや敗戦時の判断、周囲との関係、競技以外の生活にも問いを広げます。主催者が最初の質問を準備しておくと、参加者は競技結果の裏にある選択へ関心を向けやすくなります。
保護者や指導者が同席する場合は、選手本人へ向けたメッセージと、大人へ向けた関わり方を区別します。同じ目標を当然とせず、それぞれが何を持ち帰る講演会かを事前に決めてください。
競技・舞台・育成の三つの経験を伝えます
粕尾将一は、2005年・2009年のアジア大会で個人総合優勝、2009年世界大会で種目別5位・個人総合6位を経験しました。その後、シルク・ドゥ・ソレイユに約2,500回出演し、日本代表経験者40名を育成しています。
競技者、出演者、指導者としての経験を、子ども、保護者、指導者、企業向けに調整します。
