コミュニケーション講演会というと、分かりやすく話す方法や、相手に伝わる話し方を学ぶ場を想像するかもしれません。
もちろん、伝える技術は大切です。しかし、親子、学校、職場で問題になるのは、話し方だけではありません。相手の話を聞く前に、自分の正解を押し付けてしまうことです。
コミュニケーションと対話の違いを扱う
コミュニケーションは、情報や感情を伝え合う幅広い行為です。対話は、その中でも、相手の考えを聞き、自分の考えも見直す時間です。
コミュニケーション講演会で対話を扱うと、「うまく話す」以外の選択肢が見えます。結論を急がずに聞く。分からないことを質問する。意見が違うまま関係を続ける。こうした力を考えます。
論破や説得を目的にしない
相手を納得させれば、コミュニケーションが成功したとは限りません。
親子でも職場でも、立場の強い人が結論を押し通せば、表面上は話がまとまります。しかし、相手が自分の考えを言えなくなれば、次の対話は生まれません。
聞くことを具体的な行動にする
「相手の話をよく聞きましょう」だけでは、行動を変えられません。
話の途中で評価しない。分かったつもりにならず、言葉を確認する。沈黙を急いで埋めない。助言する前に、相手が助言を求めているかを聞く。コミュニケーション講演会では、聞くことを具体的な行動へ分けます。
自己開示の怖さを知る
対話するには、相手に質問するだけでなく、自分のことも話す必要があります。
弱い部分や迷いを見せるのは怖いものです。相手に受け入れてもらえるか分からないからです。
講師自身の失敗や迷いが語られると、参加者は自己開示が特別な技術ではなく、信頼を作る一歩だと理解できます。
対象者に合わせてテーマを変える
保護者向け
子どもの話を評価する前に聞くこと、親の期待と本人の目標を分けることを扱います。
教職員・指導者向け
正解を教えすぎず、子どもが自分で考える問いを作る方法を扱います。
企業・職場向け
意見の違いを消すのではなく、違いを確認しながら仕事を進める対話を扱います。
親子コミュニケーションで正解を急がない対話とスポーツ指導の対話も参考になります。
大阪・関西万博で考え続けた対話
粕尾将一は、2025年大阪・関西万博「いのちのあかし」プロジェクトで育成対話者を務めました。
筋書きも正解もない相手と向き合う中で、対話は相手を変えるためではなく、相手を通して自分自身を知る時間だと感じました。
この一次体験を、家庭、学校、職場で使える行動へ置き換えて伝えます。
対話を知識で終わらせない
コミュニケーション講演会の中で、短い問いやペア対話を入れる方法もあります。聞くだけでなく、自分の言葉を出し、相手の言葉を受け取る体験を作ります。
開催人数や会場によって実施方法は変わるため、事前に目的と条件を確認します。
対象者によってコミュニケーション講演の焦点を変える
保護者には、答えを言う前の聞き方を扱う
家庭では時間に追われ、子どもの話を聞きながら結論を急ぎがちです。講演では、事実を確認する質問と、気持ちを受け取る言葉を分けて考えます。親が正解を示す前に、子ども自身が何を考えているかを言葉にできる時間を作ることが中心です。
教職員・指導者には、評価と対話を分ける
教える立場には、行動を評価し改善を促す責任があります。しかし、評価を伝える時間と、本人の見方を聞く時間が混ざると、子どもは正解を探して話すようになります。どの場面で助言し、どの場面では問いを残すのか、現場の事例から整理します。
企業には、意見の違いを仕事へ戻す方法を扱う
職場の対話は、全員が同じ気持ちになることが目的ではありません。相手の前提を確かめ、自分の意図を説明し、次の行動を合意する必要があります。育成対話で得た経験を、会議、1対1の面談、チーム内の役割調整へ置き換えて扱います。
講演を依頼するときは、「コミュニケーションを良くしたい」だけでなく、発言が一部の人へ偏る、面談が助言だけで終わる、部署間で前提が共有されないなど、実際の場面を伝えてください。課題が具体的であれば、参加者が翌日から試せる問いや聞き方へ落とし込めます。
対話を家庭・学校・職場へ持ち帰る講演です
粕尾将一講演会では、育成対話者、指導者、親としての経験を組み合わせ、対象者に合わせたコミュニケーション講演会を行います。
