「将来の夢は何ですか」と聞かれて、すぐ答えられる子もいれば、言葉が出てこない子もいます。
夢が見つからないことは、意欲がないことではありません。まだ知らないものが多い。興味を職業名に変えられない。失敗するのが怖くて口にできない。理由は一つではありません。
夢を聞き続けると答えを作らせてしまう
大人は励ますつもりで「何になりたいの」「好きなことはないの」と聞きます。
しかし、答えを求められる回数が増えると、子どもは本当に感じていることより、大人が喜びそうな答えを探すことがあります。
夢を言えることと、自分の人生を考えていることは同じではありません。言葉にならない時期もあります。
職業名ではなく今の関心を見る
夢が見つからない子には、将来ではなく最近の行動を聞きます。
大人が使える問い
- 最近、面白いと思ったことは何か
- もう一度やってみたいことは何か
- うまくいかなくて悔しかったことは何か
- 誰かに教えてもらいたいことは何か
好きなものだけでなく、悔しさや違和感も関心の手がかりです。
小さな挑戦を増やす
考えているだけでは、自分に合うものは分かりません。
体験する。見学する。人の話を聞く。一日だけ手伝う。小さな挑戦を増やすと、好き嫌いの輪郭が見えてきます。
粕尾将一がシルク・ドゥ・ソレイユへ進んだきっかけも、自作のプロモーション映像を送るという行動でした。最初から結果が約束されていたわけではありません。
大人の正解を先に渡さない
子どもが迷っていると、大人は経験から答えを教えたくなります。
「それは仕事にならない」「こちらの進路が安全だ」と先に結論を出すと、子どもは自分で考える機会を失います。情報を伝えることは必要ですが、選択まで奪わないことが大切です。
親子コミュニケーションで正解を急がない対話では、話を聞く順番を紹介しています。
夢は変わってもよいと伝える
一度決めた夢を変えることは、諦めではありません。
新しい経験をして考えが変わる。けがや環境の変化で別の道を選ぶ。続けたからこそ、違う役割に気づく。キャリアは何度でも選び直せます。
粕尾将一も、競技者、シルク・ドゥ・ソレイユの出演者、指導者、会社経営者へ役割を変えてきました。中心になわとびがあっても、関わり方は一つではありません。
講演会では夢を決めるより視野を広げる
キャリア教育講演を聞いた日に、将来の夢が決まらなくても問題ありません。
知らなかった世界を知る。失敗しても道を作り直せると知る。気になることを一つ試したくなる。その変化が、次のキャリア教育につながります。
キャリア教育とは何かと成功談だけでは足りないキャリア教育講演も合わせて確認してください。
夢が見つからない子への関わりで避けたいこと
職業名を急いで答えさせない
「将来は何になりたい」と聞かれても、知っている職業が少なければ選べません。答えが出ないことを意欲の不足と決めず、どのような時間が好きか、最近気になったことは何かを聞きます。職業名よりも、興味の手掛かりを一緒に見つける方が次の行動につながります。
大人の成功像と比べない
同級生の目標や、有名な人の成功談を基準にすると、子どもは自分の小さな関心を価値のないものだと感じます。夢の大きさではなく、昨日より詳しく調べた、一度試した、誰かへ質問したという変化を見てください。キャリアは発表できる夢の有無だけで決まりません。
変わることを失敗にしない
やりたいことが変わるのは、経験を通して自分を知った結果でもあります。「前に言っていたことと違う」と責めるのではなく、何に気づいて考えが変わったのかを聞きます。選び直せると分かれば、子どもは間違いを恐れずに小さな挑戦を始められます。
また、大人自身が進路を選び直した経験を話すことも役立ちます。最初から将来を見通せた人ばかりではないと知れば、子どもは今答えがないことを過度に恐れません。ただし、大人の経験を結論として押し付けず、「あなたは今どう感じる」と本人の考えへ戻します。
学校では、夢の有無を発表させる活動だけでなく、最近知ったことや試してみたいことを共有する選択肢を用意します。発表できる大きな目標がない子も、キャリア教育の場に参加できます。
夢が決まっていない子にも届く実話を伝えます
粕尾将一講演会は、夢を持つことだけを求めません。けが、挫折、契約終了、再出発を含む実話から、自分の道を選び直すことを伝えます。
